小枝の先から池を見ていた鳥が魚にいいました
「きみはいいな 自由に泳げて」
魚は答えていいました
「きみはいいよ 空を飛べてさ」
そこへトンネルを掘ってきたもぐらが顔を出し
口をとがらせいいました
「ぼくは飛べない泳げない」
子供を連れてやってきたヒョウの母さんが
もぐらにむかっていいました
「あなたはもぐって身を隠せる 私はきのうも子供を失った」
そこへヌーがやってきてヒョウの母さんにいいました
「あなたは速く走れるじゃないか」
木のかげでずっと見ていたひとりぼっちの少年が
そっと出てきてヌーにいいました
「でも君にはたくさん友達がいるよ」
隠れていた太陽が現れて
川べりを明るく照らしました
「そうだ ぼくはトンネルを掘れるんだ」
そういってもぐらは地下にもぐっていきました
「ぼくは泳げる」
魚も尾ひれをひらひらさせて去っていきました
「ほくは飛ぶ」
さえずりながら天高く鳥は飛んでいきました
ヌーを呼ぶ仲間の声がきこえてきました
「あっ みんながさがしてる」
くるりと向きを変えてヌーも走っていきました
ヒョウの母さんは少年をちょっと見てから
子供たちを呼び集め、すべるように去っていきました
ひとり残った少年はしばらくぽつんと立っていましたが
やがて走って家に帰ると
このことを一枚の紙に書きました
読みながらハミングしているうちに
歌ができました
それが少年の一番目の作品になりました