いとしいものになるはずの
日々は痛手のままに過ぎ
涙涸れ心の動きが途絶えても
鬼のしつけはまだ続く
いらだちの盾になるために
生まれてきたというのなら
神さまは
鋼の皮膚をどうして忘れた?
愛を与えないために
誕生させたというのなら
ひとりでに溢れる愛を
なぜ持たせない?
それでもおさなごは鬼を慕い
固く握った掌中の
輝くかけらを鬼の手に
命を賭しても渡すため
この世に生を受けたのか
空腹にふらつく脚で
痣に染まったきしむ身体で
廃屋の瓦礫を起こし
泥と灰にまみれても
あの子は輝きを見つけたか
鬼に渡して逝けたのか
冬せまる五歳
これ以上苦しまずに召されたことを
ただ感謝などしない
前世のせいでは終われない
鬼の目がいつか後悔と愛に濡れ
うなだれた頭から
角がぽろりと落ちるまで
神への問いは鳴り止まない