逝く夏を惜しんで太陽の下にくり出す

大きくなったハゼの大漁

甘露煮の期待を胸にエサ採りの浜へ行く

ガードレールをひとまたぎ

橋の下をくぐってけものみち

開けた視界は名もない野っぱら

すすき つる草 岸辺の花々

目の位置に揺れる緑をかき分けて

釣り人達の人間みちを浜までたどる

頭上低く腹を見せ

ジャンボジェットが大騒音で飛んでいく

張り合った大声で前を行く相棒の背に私は叫ぶ

「ここ 大好き 最高だよ」

白、黄色、ムラサキ 草一面

素足に触れる乾いた感触

ポーズを持たない無邪気な自然

砂浜を掘るゴカイ採りの

子供みたいなしゃがみよう

あっけらかんとおおらかな

この一体感が私は好きだ


大漁に耐えうるだけの大量のエサを採り

帰る道すがら相棒が教えてくれた

もうすぐここもつぶされて公園になるという

そつなく洗練されて自然らしく

名前をもらって

意味をもらって

公園になる

あこがれの野っぱらは、さら地にされる

だって君達は彼らにとっては鬱陶しい雑草だから

どんなに私が焦がれても

見るものの目にどんなにすがしく映っても

このままではいさせてもらえない

無意味な自然はこの国では悪なんだよ

最期の野っぱら

最期の夏草

最期のあこがれ

自然も人もいじられすぎて死んでいく


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