わさわさと新宿に師走があふれる
休みなく人が横ぎりぶつかりすれ違う
聴衆を集めるヴァイオリンをBGMに
毛布にくるまれたホームレスがころがっている
統一教会の勧誘がいっちゃった目をして
急ぎ足の人々を屈み腰でとらえ執拗に追いついていく
私の知るかぎり十年前からそこにいる
たく鉢の若い僧は清潔な顔をして
今日も広場の定位置に柱を背にして立っている
寒いも暑いも感じない
まばたきの無い目で夏服のおばさんがふらつく
地上にでる階段のど真ん中で
おじさんが目を開けて寝ている
いつの時代もなんでもありの若者達は
にぎやかな髪に花魁カカトを転がして
散らかったグリコのおまけのよう
休みなくあちこちで動く雑多な色や形や音が
ミキサーみたいに頭の中でガラガラ回って
そのうち何も見えなくなる
聞こえなくなる
自動移動マシンになって人波を抜け
目的の場所に着く頃には
私も一個のぜんまい仕掛け
ところどころ塗りのはげた
鈍い動きのアルマイト
この街のがらくたになる