母が抱くよりも先に
私達を抱いていた腕がある
例えば醜く育って
両親がつきはなしても
変わらず抱いていた腕がある
悪人と呼ばれて手錠につながれても
抱いている腕がある
親達も
世間の敵も
いやな奴も
みんなその腕に抱かれている
死にかけた子猫をかかえて
泣きながら連れ帰るように
病気の老犬に添い寝するように
戯れる鳥達を微笑んで眺めるように
大きな腕は小さな私達を
休みなく抱き続ける
美しいからでなく
頭がいいからでなく
都合がよいからでなく
どうであろうと
愛しているから