何も信じられなかった
自分も他人も生も愛も
鬱陶しい禁止が思考を牛耳って
自分の中でさえ私はこそこそしていた
いつも自分が重かった
居るだけで不自由を感じてた
動く度に骨が折れた
それは弱いせいだと思っていた
他の誰よりも生きる能力に劣り
笑われ軽蔑され失望されて
全てが私にはもともと無理なのだと
見放された無価値な存在
私が抱く自身のイメージはそうだった
だから私は夢に遊んだ
自分の身には一生ありえない憧れの姿を
閉じこもって夢想した
普通の人には不可能ではないだろう喜び
現に多くの人が手にしている満足を
過ぎた贅沢でもするように
虚構の世界でだけなら許されるとでも言うように
独り密かに満喫した
本当は現実に自分の世界を奏でてみたかった
存在を謝罪しながらそうしなくていいなら
身の程知らずの言訳を考えなくていいなら
輝きの内側に自分も立ってみたかった
でも私にはタクトを振ってくれる人がいない
私が私を奏でることを肯定してくれる人がない
幼いくせに凝り固まった四角い頭は致命的だった
私は知らなかったのだ
誰にでも自分を奏でる権利があることを
自分のためにタクトを振る人がいなくても
好きに奏でていいことを
私は全く知らなかった
どう生きたらいいのかわからない
うろうろと迷い
人生の半分をトルエン中毒者のように
希望なくしゃがんで過ごしてしまった
取り戻せない時代を惜しむ気持ちも無くはない
ありあまる時間をかつては持っていたのだから
それはそれ
他人の人生を生きることはできない
タクトがなくても奏でていいと知った時、人は新生する
これは恩恵だ
私はまた生まれたけれど
まだ束縛から完全に自由ではない
だからタクトを必要とするのだ
そのタクトに従ってどこまでもついて行こう
誰が振るものでもない
この内なる宇宙、魂のタクトに