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基本的帰属の誤り(fundamental attoribution error)
 他人の言動を解釈したり判断したりするときに、そのひとの置かれている状況や他者との関係性の影響よりも、そのひとの人格や性格の影響を過大に評価すること。
 
戦争における大量虐殺や洗脳による無差別殺人などの大罪から日頃の人間関係にいたるまで、人間社会は基本的帰属の誤りに関わる出来事だらけである。

 例えば、あるひとがとても不機嫌そうな態度で自分に接してきたとしよう。「何かあったのかな?」と考えるのが状況の影響からみたとらえかた。「こいつほんとに感じ悪い、嫌な奴」と思うのが性格の影響からみたとらえかた。相手の態度が自分にとって不愉快だった時は、そのひとに対する批判や嫌悪の心がわくので、基本的帰属の誤りをよりおこしやすくなる。
 私もプライベートでは、そういう相手とはそれなりの距離を置いて積極的に付き合うことはしない。気分が悪いのはこりごりだからね。でも仕事ではそうもいかないので、まずは「何かあるのかな」と考えるようにしている。相手に対する嫌悪や批判の気持ちがなかなかこころから消えない時は、自分の相手への感情が否定的でないかを疑ってみる。そうすると以前から自分が相手に苦手意識を持っていたことなんかが見えてきて、なんで苦手なんだろうと考えてみると、更に自分についてのいろんなものが見えてくる。(関連項目:
投影
 
 相手の今の状況が悪化している可能性を念頭にとめて、「もしかしたら〜かも」と別の評価をするもう一人の自分を待機させる気持ちのゆとりが確保できればベストである。意識的に検討しなおすことで、少なくとも基本的帰属の誤りを無自覚のまま続けずにすむだろうから。状況が変わると人も変わる。状況は自分が変わることで変えられる。自分が変わればいつしか周囲も変わっていくと体験的にそう思う。
 
 また、養育者などから幼い時に「おまえはこうだから」と決めつけられた性格を、そのまま「私はこうだから」と修正するきっかけのないまま大人になることも珍しくない。自分は生まれつき劣っていると思い込んで自信がもてなかったり、
ことあるごとに自分を責めて、自分で自分に「ダメ」のレッテルを貼る傾向があるとしたら、すぐにも問い直してみるべきだ。幼い頃に決めつけられたその性格は基本的帰属の誤りではなかったか?と。自分の可能性を閉ざさないためにも、危機的状況にいち早く気づくためにも、今自分は基本的帰属の誤りを犯していないか?と自問することが大事である。(分野:社会心理学)
 
投影(projection)
 本当は自分の嫌いな部分や欠点なのだが、直面するのは耐え難いので、それを相手の嫌いな部分や欠点にしてしまうこと。自分の否定的な部分を相手という鏡に映すのである。映っているのは嫌いな自分なのだが、それは相手であるとして、自分のことはすっかり棚にあげてしまう。脆弱な自我では嫌な自分を引き受けることに耐えられないので、自分を守るためにこのような防衛機制を無意識のうちに人は使うのである。

 自分が感情的になっているのに、相手が感情的になっていると言ったり、批判的な態度を相手にぶつけている当人が、批判的な態度をとるからと相手を責めたりする。いわれの無いことで攻撃された側はいい加減にしろと怒って喧嘩になったりする。投影かもしれないとわかっていれば、気分は悪いだろうが、けんかを買わない冷静さは保てるだろう。

 交差点の通行人のように投影にはしょっちゅう出くわす。以前ネットでハンドルネームしか知らない人たちと同じテーマである企画をたてる話になり、メールでやりとりをしていくうちに、投影の応酬のようになってしまったことがある。自分の気分を相手の気分と決めつけて、けしかけるような負のコミュニケーションがウィルスがひろがるようにあれよという間にエスカレートしていった。誰かがとりなそうとしても、その仲介をまた悪意にとって攻撃するといった状態で収集がつかず、あまりの不快さに1抜けをした。メールによる交流はかなり危険をはらんでいるとそのとき痛感した。ネット上では手書きの文字により伝わってくるもの、表情や声のニュアンス、特に笑顔が見えない。笑顔は敵意がないことを相手に伝える不滅のツールだ。笑顔のないコミュニケーションはマイナスの感情を招きやすいように思う。

 参考までに、投影に同一視がつくと、投影同一視といって、もうちょっとこみいった事情になる。相手が自分を嫌っていると感じられるとき、本当は自分が自分を嫌っている、といったものである。


 
投影は意識してとりあげて検証するようになると、自分を知るためのヒントを与えてくれる。日常的によく起きているので、自分と他者、人間のこころを知る手掛かりになる。人間理解が深まれば自分の中に経験に裏づけされた判断基準を構築することができ、自我は徐々にしなやかに強くなっていく。(分野:臨床心理学)
 
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智恵を授ける心理学/スタッフ紹介(全員♂)
 ちび:こころやさしい三代目ボス。アビの兄弟。リンダの息子
 ジジ:アビの兄弟。リンダの息子
 チヨ(本名チョコ):ちびの舎弟。小さな半人前でテリトリーも♀と同じ半径
 ミミ:頭脳明晰でずぼらなナナ(♀)の息子。ナナに似て頭がいい
 けちこ:ちびの息子。ずっと子どものまま。ミミと暮らしている